ブドウの収穫が始まると、緊張感が漂い、睡眠不足をよそに、せっせと働くのが、普通ですが、今年は様子がちがいます。昨日から収穫を止めて、醸造所がめっきり静かになりました。私はレナに凧を買ってあげて、凧揚げをしたり、義母はヨーゼフを連れてオッテス家のお墓の花壇の植え替えに行ってしまいました。
セラーでは、シュペートブルグンダー(ピノノワール)のヴァイスヘルプストとヴァイスブルグンダー(ピノブラン)だけが発酵中で、リースリングはまだありません。
雨が多かったせいで、ブドウが膨れ上がり、果汁が薄まっています。天気予報によれば、これから数日間安定した天気が続くそうで、水はけの良いロルヒの畑のブドウは、それに伴って、余分な水分が落ちるはず。ゴールデンオクトーバーの願いは、天に届いたのです。シュペートブルグンダーもブドウの房よりをしただけで、まだ大部分が畑に残っています。ポーランドからの収穫仲間には、来週始めに来てもらうことにしました。本格的収穫開始まであと数日です。
ところで、女性誌「婦人公論」10月7日号にドイツワインについての記事があり、私達のことに関しても、1ページにわたって紹介されています。どうぞ皆さん読んでください。
雨の多い今年の秋。今日やっと晴れ間が広がりました。去年は誰もが満足できる良いヴィンテージでしたが、今年は各醸造所の実力が問われる年になりそうです。夏の畑の手入れの良し悪しが、ブドウの質に見事に現れています。
今日はオッテス醸造所でも収穫第1日目ですが、まだ試運転状態です。赤ブドウの畑に入って、良いブドウだけを残す作業。毎年遠くポーランドからやってくる仲間達はまだおらず、近所の人たちをだけで行っています。この時期、一番気になるのは、週間天気予報。ドイツ中の醸造家たちの願いはただ1つ、ゴールデンオクトーバー。天に届くかしら。。。
毎年恒例のエアステス・ゲヴェクス発表会が、シュロス・フォルラーツで行われました。今年は、ラインガウ地域の49の醸造所が生産した、リースリングは81品、シュペートブルグンダーは6品がエアステス・ゲヴェクスとして認められました。合格率は60%程度だったそうです。
今年のニュースといえば、エアステス・ゲヴェクスに「trocken(辛口)」の表示が認められるようになったこと。残糖が9g未満のものには、「trocken」とラベルに表記しても良い(ちなみに、しなくても良い、です。)というものです。この規定変更のバックには、ワイン愛好家は辛口を求める傾向が強く、従来の表記規定ではErstes Gewaechsと表記があるだけで、味のタイプが不鮮明であったことにあります。当初、エアステス・ゲヴェクスは中辛口の物が主流でしたが、辛口嗜好の市場に合わせて、年を重ねるに連れて辛口の割合が多くなり、またVDPラインガウは、加盟社間の申し合わせにより、昨年からは辛口のみに絞るようになりました。ラインガウ以外のドイツの生産地域ではエアステス・ゲヴェクスに相当するワインはグローセス・ゲヴェクスという名前が使われており、このワインには「trocken」の表示がしっかりあるため、そちらに購買が流れてしまっていました。
このような流れは、私達も感じ取っていたので、昨年の秋に2種類のリースリング・EGを作ることにしていました。それが今回、ラベルで明確に表記できるようになったことは、私達にとってとてもプラスです。それからシュペート・ブルグンダーもとても良い物ができていたので、審査の合否には、結構自信がありました。以下のワインを発表しました。
2007 Lorcher Kapellenberg Riesling Erstes Gewaechs trocken
2007 Lorcher Kapellenberg Riesling Erstes Gewaechs
2006 Lorcher Bodental-Steinberg Spaetburgunder Erstes Gewaechs
リースリングに関しては、「trocken」は残糖が7,6g、「trocken」の表示が無い方は9,1gです。辛口派向けと、バランス重視派向けに作ったワイン、両方とも良いものができました。シュペートブルグンダーは、表記はありませんが、「trocken」です。
ロルヒの畑を歩いていると、ヤギの鳴き声が聞こえてきます。この数年でヤギを趣味で飼う人が5~6人くらいに増えました。ブドウ栽培の跡継ぎがいないところでは、畑の跡地が雑草で荒れ放題になってしまいます。そういう土地を借りて、ヤギを育てる人が出てきたのです。最近始めた人で、アフリカ原産のヤギを飼っている人がいます。この種は、雑草だけではなく、トゲが多い野ばらや野いちごの葉、それからトゲさえも食べてしまうらしいです。子供達は、ヤギを見るのが大好きで、今日も行ってきました。広い敷地の遠くかなたに群れをなしていたヤギ達は、レナとユウリアンの「メー」という大きな呼び声に反応して、みんな集まってきました。ちょうど、飼い主の人も見に来ていたので、少しおしゃべりができました。この種のヤギは精肉に適していて、この方のお兄さんが肉屋さんなので、9月からソーセージなどに加工して販売するそうです。私達の醸造所のレストランでもメニューに加えようかな。。。9月解禁といえば、エアステス・ゲヴェクスもそうです。先日、赤のエアステス・ゲヴェクスの官能検査試験があり、私達のワインは見事、合格!希少な赤のエアステス・ゲヴェクス、これで4年連続リリースです。また、話題を呼びそうです。ちなみに、600本限定ワインです。
昨日、夕方台所に居ると、突然暗くなったのに気づき、窓の方を見ると大粒の雨が・・・。するとバラバラーと氷が降ってきました。いつも風は西から吹くので、東側にある台所の窓が、(子供のベタベタの手で汚れますが)雨で汚れることは、あまりありません。ところが、今回はずぶぬれに。
醸造所のレストランがオープンしていたので、テラスでワインを飲んでいた人たちは、悲鳴を上げて、レストランに逃げ込み、ゲーラルドはパラソルが吹き飛んでゆかないように、ずぶぬれになってたたみ、客席においてあったボトボトにぬれたクッションをあつめ・・・。
オーパ(おじいちゃん)とライン河の対岸にフェリーで散歩に出かけていたレナとユウリアンは、間一髪。ちょうど、帰って来たところで、ユウリアンは常連さんのおひざに座って、「アメ、アメ、アメェー」と興奮した様子。
グリンピース大のものや、大きいのではピーナッツくらいの雹がテラスに転がってきました。30分ぐらい雹交じりの大雨が降った後、オーパは、早速畑に見に行きましたが、「ちょっとやられたかもしれないけれど、明日になったらもっと分かる。」といって心配そうな面持ちでした。「東から来る天気は性質が悪いんだよ。」ロルヒの人々が口をそろえてレストランで話をしていました。西からの雨雲は、ロルヒの街のヴィスパー渓谷から吹き降ろす風が吹き飛ばしてくれるけど、東はそういう守護神が無いからねぇ。という意味でしょう。
今日になって、畑に見に行きましたが、やっぱり雹にあたった傷がついたブドウがいくつか見受けられました。これぐらいなら、傷が干からびるだろうから、大丈夫だと思うよ、というゲーラルドの声を聞いて一安心しました。